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2017.10.19 | モンブランの読書感想文

#02「新しいメディアの教科書」

前回、ネットの闇に迫った本コラム
メシを食らうが如くジャンルを越えてを勉強しますよ!

 

今回はこれ! 

 

 

 

 

 

 

新しいメディアの教科書
佐々木俊尚

 

 

 

数年前から4マス(テレビ、新聞、雑誌、ラジオ)広告費の割合は激変し、
ネットが台頭してきました。今ではテレビに次ぐ媒体です。
そんな変化の時代の新しいメディアのあり方を書いた本です。(電子書籍のみです!) 

 

 

 

 

 

 

 

ウザいネット広告!

 

インターネットの広告で一番鬱陶しいのはなんだろう?
そう!ポップアップ広告だ。
点滅したり上部に固定されていたり
コンテンツとは全く関係ない内容の(時には暴力的だったり卑猥だったり)
広告を強制的に表示させるなんともウザったい広告だ。

 

近年、ポップアップ広告の技術が進化してて
スマホでタップしようと表示されるポップアップ広告があったりする!

 

このポップアップ広告を最初に発案したのは
イーサン・ザッカーマンという人
それまではマネタイズされていないネットの世界を変えたという意味では
革命家なのかもしれない。

 

そんなウェブにおける広告ビジネスにおいて決定的な転換点になったのは
Googleがアドセンス広告を発明したことだっとザッカーマンは指摘している。

 

今までヤフーなどの膨大なPVを持ったポータルサイトが広告枠を売り収益を得るという、
リアル世界の媒体に近いビジネスモデルだったウェブにおいて
小さなメディアであってもアドセンスを貼ることで少額でもお金が入ってくるようになった!

 

そうした数え切れないほどの小さなメディアがこぞってpvを上げるために試行錯誤する時代へ突入しウェブ広告ビジネスの市場も爆発的に発展しました。

 

ちなみに僕もこのビックウェーブに乗っかろうとして7年前に格闘技の情報サイト作ってアドセンス貼ったけど、総額1000円しか稼げなかった。 

 

 

 

 

 

 

 

youtubeとFacebookの対決

 

広告の話から少し離れてSNSの話題!
十億人以上のユーザーがいる世界最大SNS「facebook」は、
めっちゃ気合入ってます!

 

みなさん「ネットで動画を観る」と言えば
「YouTube」
ですよね?

 

最近、facebookはYouTubeに対抗して
フェイスブックの中で動画を観られるようにしました。

 

これが何を意味しているのか??
推測ではありますが、なんと最近のfacebookの動画の視聴回数はYouTubeを越えているのではないかと言われています。

 

ただ、あくまで「視聴回数」の数字であり
「視聴時間」でカウントするとYouTubeが平均30秒に対してfacebookは3秒程度と言われているので、まだまだYouTubeの牙城は高いですね。

 

 

少なくとも
facebookユーザーはfacebookの画面の中で動画を観るというのが当たり前になり、以前のようにURLをクリックして外部サイトに出ていくことが少なくなったということ。

 

動画を制作する企業は、自社サイトのYouTube動画の埋め込みだけでなく、facebookにも投稿する必要がありますね。

 

制作会社もこのへんの情報をキャッチしていないと機会損失につながりそうです。 

 

 

 

 

 

 

 

どんどん変わるfacebookのルール

 

facebookは動画機能に続けて、
記事をfacebookの中で読める「インスタントアーティクルズ」という機能を追加しました。

 

これまでの新聞社や新興メディアの記事はURLをクリックして外部サイトに出る必要があったのですが。

 

近頃、読者の注意力はますます分散していて、わざわざクリックして外部のサイトに行くのさえ面倒だと感じる人が増えています。(特にスマホだとページ遷移いやですね)

 

だったらfacebookの画面の中だけで全文読めるようにすれば、面倒くさくなく、より多くの読者に全文を読んでもらえる可能性が高い。
とfacebookは考えたんですね。

 

そこで外部に還移しないで記事を読む「インスタントアーティクルズ」という機能が生まれました。

 

 

更にfacebookは外部リンクのエッジランクを下げるというエグい戦略も行っています。

 

エッジランクというのは、
ユーザーのfacebookのページに表示する投稿を、仲がいい人のを沢山表示させて、どうでもいい人の投稿をあまり表示させない仕組みです。

 

これは外部サイトの記事や動画をシェアしてほしいメディア企業にとっても死活問題!
だってfacebookの中で完結している投稿がよく表示されて、自分のウェブサイトへ誘導する投稿は表示されにくくなるからね!
facebookこわい。。。。

 

 

たとえば海外で若い世代に人気のメディア「エリートデイリー」は、読者の動線をfacebookにかなり頼ってきました。
依拠率98%というから完全に重心預けてますね。

 

ところが2015年の1年間で、facebookからきてくれる読者の数は激減しました。

11月には年初の数字からなんと半減。

 

2014年12月にはエリートデイリーは1日に15ぐらいの記事をfacebookに投稿し月間290万ものいいねやシェアを獲得していましたが。
一年後には投稿数を三倍に増やしたにもかかわらず、「いいね」とシェアはわずか15万しか増えませんでした。 

 

 

 

 

 

 

 

注意すべきは破壊的イノベーション

 

上記で説明したような新しい技術が生まれ、今までの仕組みが変わることを
「イノベーション」といいます。

 

そしてイノベーションが起きると、既存の仕組みが壊れ不幸になるビシネスが生まれます。
それを「破壊的イノベーション」といいます。

 

破壊的イノベーションというのは、ハーバードビジネススクールのクレイトン・クリステンセン教授が1997年に提唱した「イノベーションのジレンマ」理論で使った用語です。

 

従来企業には、新しいテクノロジーやビジネスはちっぽけで魅力的ではないように映るが、それが大きくなってくると自社のもともとのビジネスを破壊されてしまう危険性があるという意味です。
メディア業界に限らず、破壊的イノベーションが従来の業界を潰すということは過去何度となく繰り返されてきました。

 

 

 

破壊的イノベーションの特徴として下記が挙げられます。

 

・業界外のアウトサイダーによって導入される。
・既存のサービスや製品よりも安価
・既存のサービスが行き届いていない分野や、まったく新しい市場をターゲットにしている。
・既存のサービスや製品よりも最初は質が低い
・実用化された新技術によって動いている

 

 

 

破壊的イノベーションの分かりやすい例としてコダック社の事例を紹介します。

 

 

 

カメラとフィルムの最大手メーカーだったコダックは、質の高い写真製品を市場に提供していました。

 

1990年代にデジタルカメラが出現したが、
「めっちゃ画質悪いし、俺たちの敵じゃねーな!」
と気にもとめませんでした。

 

しかし写真を取りたい人々の根本的なニーズには、実は合っていて。
撮影が安易で、フィルムを買わずにすむからコストもかからない。

 

パソコンに取り込んで、知り合いに電子メールで送ることができる。
高画質の写真をカメラ店で焼き増しして、友人に郵便で送るような手間がない。

 

「もうこれで十分じゃないかな」と人々は思うようになってしまった。

 

そして、コダックは2012年に破綻した。

 

 

これはデジカメの危険性に早くから気づいていた富士フィルムとは明暗が分かれました。
富士フィルムは自社技術を、全くの異分野である医療分野や化粧品などに展開し、
多角化で成功しました。
ほんと目の付け所が飛び抜けてますね。

 

しかし写真にまつわる物語は
これで終わりではありません。

 

デジカメがフィルムカメラを駆逐し市場を制覇した後に、今度はカメラを搭載したスマートフォンがやってきました。

 

最初は「スマホ搭載のカメラなんて解像度が低い」と馬鹿にされてましたが、
ここでも同じ繰り返し。ユーザーは質が低くても、スマホで撮影するということの利便性を選びました。

 

そう「もうこれで十分かな」再び。

 

 

そして気がつけば、いまのスマホはコンパクトデジカメを凌駕する画質になっています。
次は時計やメガネがカメラに代替えするんですかね?? 

 

 

 

 

 

 

 

破壊的イノベーションでメディアはどう変わる?

 

それではメディアは破壊的イノベーションでどう変容していったのでしょう?
新聞を例に説明していきます。

 

 

①新聞は当初、インターネットをみずからを破壊するものとは捉えませんでした。
逆に継続的な成長の支えになるものだと考え、従来のビジネスモデルを維持しながら、その新しい技術を使って、サービスの品質向上を心がけようとしました。

 

 

②続いて、新興メディアという破壊者がやってきます。
彼らはオリジナルのコンテンツを投入しますが、当初はメディアの側も読者の側も、だれもそれが新聞への脅威になるとは思いませんでした。
なぜなら新興メディアのコンテンツはとてもショボかったからです。

 

 

③しかし時間が経過していくにつれて、新興メディアは新しいテクノロジーや新しいコンテンツを生み出すようになり、進化していきます。
するとついに「引火点」がやってきます。
引火点というのは。多くの読者たちが「新聞がなくても、新興メディアがあれば十分じゃないかな」と考えるようになるという時点。ここに至って、新聞は市場シェアを破壊者に奪われるようになるわけです。
そして一旦火がついてしまうと消すことは難しい場合がほとんどです。

 

 

では、
この破壊的イノベーションに殺されないようにするためには新聞はどうすればいいのか?
答えは「新興メディアのやり方を積極的に取り入れる」ことです。

 

AD(オーディエンス・デベロップメント読者開発)が必要と言われています。
読者のもとに記事コンテンツを到達させ、より多くの読者を獲得していく技法だ。

 

そのために記事コンテンツをパッケージングし、プロモーションし、ソーシャルで共有します。

 

ADは3つの過程に分解できます。

 

①ディスカバリー(どのようにコンテンツを構成し、配信するか)
②プロモーション(どのようにしてコンテンツに注目してもらうか)
③コネクション(読者のロイヤリティを高めるために、どのような双方向のコミュニケーションを行うか)

 

ADの要素はニュースサイトのみならず
一般的なウェブサイトでも同様の手法が必要とされます。

 

コンテンツマーケティングを行う場合①〜③の過程をしっかりと考えなければユーザーへ届かないし共感からの共有も生まれないからです。(3つの過程ついては書籍で事例も交えて詳細に書いてあるよ!) 

 

 

 

 

 

 

 

感想まとめ

 

僕はこのウェブ業界に入って7年目ですが、振り返ってみるとその間にも小さなイノベーションが多くありました。
テーブルレイアウトがマイナーになり、フラッシュが使えなくなり、HTML5とCSS3が標準になったり
どれも、忍び足で近づいてきてある日突然スタンダードになります。

 

おそらく、今後ウェブ制作の世界における最大の破壊的イノベーションは
「ウェブ制作の自動化」だと思います。
質問に答えて、業態の詳細を入力するだけで膨大なビックデータからAIが適切なウェブサイトを作り出す。
そんな時代が忍び足で近づいている気がします。

 

そんなイノベーションの野郎に追い越されないように
ボスと一緒に機械には真似できない強みを磨き続けたいと思います!

 

 

 

※10年後には本コラムもAIが自動で書いてたら僕は転職しているでしょう。 ズートリ野田

ホームページ作成はもちろん、企業や商品のブランディングもお任せ下さい。